山形市内の同一地点における室内塵中のCry j I量と空中スギ花粉数との関係を調べたところ, スギ花粉が空中に存在しなくなって2週間ほどの間, 室内塵中に多量のCry j Iが存在した. 室内塵のCry j Iが消失する時期は同一市内に居住するスギ花粉症患者の症状が消失する時期と一致した. 空中ヒノキ科花粉は空中スギ花粉の飛散後期にみられる. 1989年から1993年までの調査から, スギ花粉症患者の症状が消失する時期は, 空中ヒノキ科花粉が飛散しなくなる時期より多少遅れることがわかった. 患者の発症期間が花粉飛散後にも長引くことの一つの理由には, 屋内に持ち込まれた花粉が関係している可能性が考えられる.