アレルギー
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気管支喘息児リンパ球におけるIgE産生の検討
向山 徳子伊藤 わか市川 邦男山口 公一馬場 実野間 剛
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1994 年 43 巻 3 号 p. 474-481

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抄録

気管支喘息児のリンパ球培養上清中のIgEならびにDermatophagoides farinae (Df)特異IgE抗体産生につき検討した. 気管支喘息児リンパ球のIgE産生は培養1日目より上昇がみられ7日以降にプラト-となる傾向がみられた. 気管支喘息児の無刺激リンパ球培養上清のIgE値は非アトピー群より高値を示し0.1〜15.0IU/mlにわたっていた. 気管支喘息児26例中5例に培養上清のDf特異IgE抗体が陽性に出現した. 非アトピー健康小児においては無刺激リンパ球培養上清のIgEは全例測定限界0.05IU/ml以下であり, Df特異IgE抗体も全例陰性であった. リンパ球IgEと血清IgEの間には良好な相関が認められた(r=0.835, p<0.001). リンパ球IgEとDf特異IgE抗体の間にも相関が認められた(r=0.717, p<0.001). 気管支喘息児におけるリンパ球培養上清のIgEは非アトピー小児に比し著明に産生亢進が認められた. 気管支喘息児リンパ球にIFN-γを添加し5日間培養したところIgE産生の抑制が認められた. Df刺激リンパ球にIFN-γを添加し培養したところ, IgE産生の抑制はさらに著明なものとなった. また, Df刺激リンパ球IgE産生に与えるIFN-γの抑制効果には濃度依存性が認められた.

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© 1994 日本アレルギー学会
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