アレルギー
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Subacute Myelo-Optico-Neuropathy (SMON) 患者末梢血中における活性化T細胞の検討
松田 正之宮城 浩一柳澤 信夫塚田 直敬
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1994 年 43 巻 3 号 p. 515-520

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抄録

subacute myelo-optico-neuropathy (SMON)では加齢に伴い種々の免疫異常がみられることが報告されている. 今回, HLA-DRとCD3に対するモノクローナル抗体を用い, two color flow cytometryでSMON患者29名の末梢血中におけるHLA-DR陽性活性化T細胞の比率を測定するとともに, 血中のsoluble interleukin-2 receptor (sIL-2R)を測定し, 同年代の健常人と比較検討した. HLA-DR陽性活性化T細胞はSMON患者全体で対照群に比べて有意に高値を示し(p<0.001), 年齢別の検討でも60歳未満, 60歳代, 70歳以上のすべてで対照群より高値を示した(p<0.05). またsIL-2RはSMON患者全体で対照群に比べて有意に高値を示し(p<0.01), 年齢別の検討では60歳未満, 60歳代, 70歳以上のすべてで対照群より高値を示す傾向がみられた. 特に60歳代では有意に高値を示し(p<0.01), HLA-DR陽性活性化T細胞の比率と正の相関がみられた. SMON患者では加齢に伴い末梢血T細胞が活性化し, 免疫異常の発現に関与している可能性が考えられた.

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© 1994 日本アレルギー学会
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