アレルギー
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気道反応性に対するCyclic Nucleotide Phosphodiesterase Isoenzyme Type III/IV阻害薬, SDZ ISQ 844吸入の影響
掘越 正二郎今井 俊道伊平 慶三足立 満岡本 美智子
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1994 年 43 巻 4 号 p. 551-556

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抄録

気道反応性に対するcyclic nucleotide phosphodiesterase (PDE) isoenzyme type III/IV阻害薬SDZ ISQ 844吸入投与の影響を検討した. 7頭のビーグル犬を用い, およそ1週間の間隔で生理食塩水, SDZ ISQ 844溶液(5×10^<-4>M)及びsalbutamol(5×10^<-5>M)をbird nebulizerにより10分間吸入させ, 直後に吸入methacholine (Mch)に対する気道反応性を測定した. 呼吸抵抗及びMchに対する気道反応性は, 7Hz oscillation法によるアストグラフ(Chest TCK6100H)により測定した. SDZ ISQ 844吸入による呼吸抵抗の変化は認められなかったが, salbutamol吸入により僅かではあるが有意に呼吸抵抗が低下した(p<0.05). SDZ ISQ 844吸入後の気道反応性は, 生理食塩水吸入後に比較して有意に低下し(p<0.02), salbutamol吸入後の気道反応性も有意に低下した(p<0.02). SDZ ISQ 844吸入による気道反応性の低下は, 1/10濃度のsalbutamol吸入による気道反応性の低下と明らかな差は認められなかった. 以上より, cyclic nucleotide phosphodiesterase (PDE) isoenzyme type III/IV阻害薬SDZ ISQ 844は, 吸入投与により初期呼吸抵抗に明らかな影響を与えない用量において気道反応性を低下させることが示された.

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© 1994 日本アレルギー学会
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