1994 年 43 巻 4 号 p. 590-594
近年, 気管支喘息をはじめとするアレルギー性炎症疾患において, 好酸球を中心とした種々の炎症細胞の接着分子が重要な役割を成すことが明らかになってきた. 一方, 気管支喘息においてplatelet-activating factor (PAF)は好酸球遊走因子として重要なメディエーターでもある. 今回, 我々は好酸球性細胞株(EoL-1, EoL-3)を用いてplasma-coated glassへの接着能に関するPAFの影響について検討した. その結果, PAF添加群のEoL-1, EoL-3はコントロール群と比較し明らかにplasma-coated glassへの付着細胞数の増加を認めた. これらの結果よりPAFは好酸球の接着能の亢進にも関与しており好酸球遊走因子と同様に気管支喘息における炎症反応の亢進に関与していることが推測される.