1994 年 43 巻 5 号 p. 619-624
重症アトピー性皮膚炎患児46名を対象に, 入院治療群20名と海水浴キャンプ群26名に分けて, 治療前後で皮膚の反応性がどのように変化するかをスキンチャンバー法を用いて検討した. チャンバー内の抗原刺激によるヒスタミンの遊離は, 入院治療群では24時間値が24.9±8.0ng/ml(mean±SE)から9.80±4.2ng/mlと低下したが, 有意なものではなかった. これに対して海水浴キャンプ群では24時間値で19.0±7.3ng/mlから1.47±2.5ng/mlと有意な低下が認められた(p<0.05). 以上より, 1週間の治療では海水浴キャンプ群の方が入院治療群よりも効果的であると考えられた.