アレルギー
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ヒノキ特異的IgE抗体陽性患者の臨床的検討 : ヒノキ AlaSTAT検査を用いて
岡野 光博西岡 慶子永野 稔明太田 伸生増田 游
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1994 年 43 巻 9 号 p. 1179-1184

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抄録

春期花粉症患者を対象にヒノキ AlaSTAT検査を行い, 春期花粉症におけるヒノキ科花粉およびヒノキ特異的IgE抗体の臨床的意義について考察した. 1993年2月から4月に飛散した春期花粉は 1,802.8個/cm^2で, スギに対するヒノキの飛散割合は1 : 1.83に達した. アレルゲン特異的IgE抗体陽性率(スコア1以上)はスギが83.5%, ヒノキが80.0%であった. 76.4%がスギ・ヒノキの両者に陽性となり, 12.7%がスギにのみRAST陽性となった一方, 7.9%はヒノキに対してのみIgE抗体価が陽性であった. ヒノキAlaSTAT単独陽性患者群の臨床症候には平均罹病期間が短く, 重症度は中等症以下である傾向がみられた. ヒノキの優勢飛散期である4月に受診したものは, 3月以前の受診患者と比較して有意に高いヒノキAlaSTATスコアを呈した (p<0.05).

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© 1994 日本アレルギー学会
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