アレルギー
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実験的アレルギーに及ぼす麻黄附子細辛湯の影響
柴田 浩樹河野 茂勝大幡 勝也
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1995 年 44 巻 10 号 p. 1234-1240

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抄録

ラットにおける2種の実験的アレルギーに及ぼす麻黄附子細辛湯の経口投与の影響について検討した. 麻黄附子細辛湯(1000mg/kg/day)の反応惹起1日前までの5日間連日投与は, 48時間 homologous passive cutaneous anaphylaxis (PCA)にほとんど影響を及ぼさなかったが, 反応惹起1時間前の1000mg/kgの単回投与は明らかな抑制を示した. 一方, 能動的感作ラットの実験的アレルギー性鼻炎は反応惹起1時間前の1000mg/kgの投与により histamine遊離には影響を及ぼさなかったが, 色素漏出をかなり抑制する傾向を示した. 麻黄附子細辛湯の構成生薬では, 麻黄のみが色素漏出を抑制する傾向を示した. しかし, 麻黄中に多量含まれる1-ephedrine および d-pseudoephedrineはほとんど影響を及ぼさなかった. 麻黄附子細辛湯は, PCAおよび実験的アレルギー性鼻炎に対して抑制もしくは抑制する傾向を示したことから, アレルギー性鼻炎を含むアトピー性疾患に有効な薬剤であることが示唆された.

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© 1995 日本アレルギー学会
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