アレルギー
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気管支喘息における血清および喀痰 Eosinophil Cationic Protein濃度の測定
本島 新司緒方 英嗣立石 欣司福田 健牧野 荘平小関 隆足立 哲也木原 令夫
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1995 年 44 巻 11 号 p. 1272-1281

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抄録

気管支喘息患者, 慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 患者と健康人において血清中の eosinophil cationic Protein (ECP)を測定し比較した. また喘息群に関しては%FEV_1 (%予測値)との関係を検討し, さらに喀痰と血清のECP濃度の関係から気道における好酸球活性化を血清を用いて想定できるかを検討した. 血清ECP濃度は喘息群と他群の間に有意差を認めた. 発作および緩解期喘息群間にも有意差を認めた. 60歳未満の喘息に限って分析すると, 血清ECP濃度と%FEV_1の間に有意な逆相関を認めた. 喀疲と血清ECP濃度の間には有意な正相関が認められた. これらの結果は, 喘息では好酸球の活性化が末梢血液中でも生じ, 血清ECP濃度を測定することである程度気道での女預釘求活性化が想定可能であることを示唆する. 血清ECP濃度の測定は喘息の非侵襲的な in vitro monitoringに有用であると考えられた.

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© 1995 日本アレルギー学会
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