アレルギー
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成人気管支喘息の実態調査 : 第1報 : ガイドライン施行後の重症難治性喘息の頻度
宗田 良高橋 清玉置 明彦谷本 安岡田 千春多田 慎也上田 暢男塩田 雄太郎田村 尚彦佐藤 利雄名部 誠田辺 耕三岸本 卓巳荒木 雅史
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1995 年 44 巻 12 号 p. 1387-1393

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抄録

難治性喘息の実態と, 吸入ステロイド療法が主体をなす本邦ガイドラインの喘息治療に及ぼす影響を検討するため, 喘息専門医のいる関連多施設で845例の気管支喘息の実態を調査した. 難治症は重症で通常の日常生活を送るのに経年的に経口副腎皮質ホルモン剤(プレドニゾロン換算)1日5mg以上またはbeclomethasone dipropionate 800μg/日を要する症例と定義した. 1. 今回の調査では難治例は14.7%であり, そのうち経ロステロイド使用により難治性と判断された喘息は10.8%であった. 難治例は, 成人発症型, 感染型が有意に多く, また風邪, 薬剤を誘因とする症例が多く, 意識消失を伴う発作の既往を多く有していた. 2. 経ロステロイド使用により難治とされた症例とBDP使用により難治とされた症例では, BDP使用により難治とされた症例にアトピー型の症例が多く, BDPはアトピー型難治症例により有効であると考えられた. 3. 難治化に影響を及ぼす要因として5項目を数量化理論を用いて検討し, 病型が最も影響が強く, ついで重症発作の有無, 薬剤が誘因となる症例の順であった.

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© 1995 日本アレルギー学会
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