アレルギー
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気道粘膜 Cl Diffusion Potential Differenceに対するタキキニンの効果と一酸化窒素の関与
竹村 尚志玉置 淳多賀谷 悦子千代谷 厚近藤 光子金野 公郎
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1995 年 44 巻 4 号 p. 474-480

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抄録

気管支粘膜におけるCl分泌に与えるタキキニンの影響をin vivoの系において検討する目的で, 家兎気管粘膜のCl diffusion potential difference (Cl-PD)を測定し, 併せてタキキニンのCl-PDにおよぼす影響に対する一酸化窒素 (NO) 産生の関与も検討した. Cl-PDはニューロキニンA (NKA), サプスタンスP (SP)により濃度依存的に増加したがニューロキニンB (NKB)による影響は受けなかった (NKA>SP>NKB). また, それらの増加反応はNO合成阻害薬であるN^G-nitro-L-argininemethyl-ester (L-NAME)の添加により抑制され, その抑制効果は L-arginineにより消失した. 一方, これらの光学異性体であるD-NAME, D-arginineは無効であった. 以上の結果より, タキキニンによる気道上皮細胞からのCl分泌の増加はNK2レセプター刺激を介しており, それらの効果にNO産生が一部関与しているものと考えられた.

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© 1995 日本アレルギー学会
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