アレルギー
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ギラン・バレー症候群における血漿交換療法, 免疫吸着療法および副腎皮質ステロイドホルモン療法の治療効果の検討
山寄 正志高 昌星羽生 憲直酒井 寿明井上 敦柳澤 信夫
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1995 年 44 巻 4 号 p. 498-502

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抄録

過去に信州大学第三内科, 長野赤十字病院, 厚生連佐久総合病院に入院し, Hughesの重症度分類で Grade 3以上のギラン・バレー症候群(以下GBS)の42症例を, 自然経過をみた群(NAT), ステロイドホルモン療法群 (PSL), 血泉交換療法群 (PE), 免疫吸着療法群 (IAPP)の4群にわけ, それぞれの群間で治療効果を比較検討した. 治療開始時の重症度はそれぞれの群間で有意差はなかった. 増悪した症状が改善し始めるまでの期間, 髄液蛋白の改善においてPE, IAPP群で, 他の2群に比べ有意に改善を認めた. 発症3力月後の重症度の経過は4群間で有意な違いは認めなかったが, PE・IAPP群で他群に比べより改善傾向がうかがえた. PE・IAPPは特に短期効果としてGBSの症状改善を早めるのに有効であった. またIAPPはPEと違い, 血液製剤等の置換液を必要とせず, 副作用の少ない点からより推賞される治療法と考えられた.

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© 1995 日本アレルギー学会
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