アレルギー
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アトピー性皮膚炎乳児における血清中ECP値について
中戸 秀和若園 吉裕別處 力丸樋垣 泰伸三河 春樹
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1995 年 44 巻 5 号 p. 540-546

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抄録

アトピー性皮膚炎にてフォロー中の乳児47名につき血清ECPを経時的に生後3〜4力月頃・6〜7力月頃・1歳前後および1歳6力月頃に測定した. 血清ECP値はアトピー性皮膚炎乳児で各月齢ともコントロールに比し有意に高値を示した. 血清ECP値と皮膚炎重症度との間には各月齢とも有意な相関を認めた. 一方, 皮膚炎重症度と末梢血好酸球数との間にも相関を認めた. また, 血清ECP値と末梢血好酸球数との間には12力月時を除き相関を認めた. また, 1歳6力月時では多種類RAST陽性でダニRAST陽性児で血清ECPは高値を示したが,これは皮膚炎重症度を反映していた. 以上より, 血清ECPは乳児のアトピー性皮膚炎の重症度と相関し, 経過観察の一つの手段になると考えた.

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© 1995 日本アレルギー学会
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