アレルギー
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ウエスタンブロット法により血清中に小脳に対する抗体を認めたMiller Fisher症候群の1例
岩橋 輝明井上 敦高 昌星柳澤 信夫
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1995 年 44 巻 9 号 p. 1176-1180

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抄録

Miller Fisher症候群(Miller Fisher syndrome : MFS)の患者血清中にマウス小脳組織に反応する抗体が存在することをウエスタンプロット法により確認した. 患者は32歳の男性で感冒症状の後, 複視, 歩行障害, 上肢感覚障害を主訴に来院した. 神経学的には全外眼筋麻痺, 小脳失調, 腱反射消失などを認め, 髄液検査で蛋白細胞解離を認めた. 頭部CT・MRIは異常なく, MFSと診断した. ウエスタンプロット法で急性期の患者血清中にマウス小脳に対する抗体が認められた. 本例で認められた抗体は, 経過から本例における小脳症状と関連している可能性が考えられた. 従来, MFSにおいてウエスタンブロット法によりこのような抗体の存在を確認したものはなく, 今後MFSにおける免疫異常やその病因を考える上で興味ある結果である.

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© 1995 日本アレルギー学会
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