アレルギー
Online ISSN : 1347-7935
Print ISSN : 0021-4884
ISSN-L : 0021-4884
気管支喘息患者における血清Eosinophil Cationic Proteinと気道過敏性についての検討
遠藤 繁鈴木 一冨田 尚吾河西 富彦小西 博秋澤 孝則成島 道昭田中 一正
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 45 巻 1 号 p. 11-16

詳細
抄録

好酸球性炎症の指標であるECPが気管支喘息において注目されている. しかし, 血清ECPの臨床的意義については未だ不明な点も多い. 今回我々は血清ECPの気管支喘息における臨床的意義について検討するため, 健常者と気管支喘息発作時, 非発作時を比較し, さらに非発作時の気道過敏性と血清ECPの関連について検討した. 喫煙者および吸入を含むステロイド剤や抗アレルギー剤投与中のものは除外した. 今回の検討では, 血清ECPは健常者に比べ気管支喘息非発作時に高値を示し, 発作時にはさらに高値を示した. 非発作時の気道過敏性と血清ECPの関連については, アストグラフ法と同時に血清ECPを測定した. この際1週間以上発作のないものを対象とした. この結果,血清ECPは気道過敏性閾値Dminと負の相関関係(r=-0.569,p<0.01)を認めた. 即ち血清ECPは非発作時には気管支喘息の気道過敏性と関連して発作準備状態を示唆し, 喘息発作時にはさらに増加することが認められた.

著者関連情報
© 1996 日本アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top