1996 年 45 巻 11 号 p. 1166-1171
ONO-1078の好酸球に対する活性化抑制作用について検討した. アレルギー性疾患患者と正常対照者の末梢静脈血から好酸球を分離し, ONO-1078で前処置した後, calcium ionophore (A23187)で刺激し, leukotriene C_4 (LTC_4)とeosinophil cationic protein (ECP)の産生を検討した. 結果はONO-1078を加えなかったものを100%として各々の放出率をみると, LTC_4はアレルギー患者でONO-1078 10^<-5>と10^<-6>Mで(10^<-5>Mで16.0%), また正常者で10^<-5>〜10^<-9>Mで(10^<-5>Mで8.9%)それぞれ抑制を認めた. ECPはアレルギー患者でONO-1078 10^<-5>と10^<-6>Mで(10^<-5>Mで33.3%), 正常者で10^<-5>Mで49.0%とそれぞれ抑制を認めた. LTC_4 D_4 E_4レセプター拮抗剤であるONO-1078がそれらのレセプターの確認されていない好酸球の活性化を抑制したことで, ONO-1078にレセプター拮抗作用とは別に, LT 産生抑制作用がある可能性が示唆された.