アレルギー
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抗原吸入によるラット気道の血管透過性亢進作用に対する新規抗アレルギー薬KW-4679の影響
大森 健守石井 秀衛佐々木 康夫
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1996 年 45 巻 4 号 p. 393-397

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抄録

新規抗アレルギー薬KW-4679のラット気道における抗原誘発血管透過性亢進反応に及ぼす影響をケトチフェンおよびターフェナジンの作用と対比して検討した. マウスモノクローナルIgE抗体で受身感作したラットに抗原を吸入させると, その気管と主気管支で, 血管透過性亢進作用の指標である漏出色素量が著明に増加した. KW-4679 0.3〜10mg/kg経口投与は本反応を有意に抑制した. 気管でのEC40は4.9mg/kg, 主気管支でのEC40は0.47mg/kgであった. ケトチフェンも両部位で抑制作用を発現し, そのED40は気管で13.4mg/kg, 主気管支で10.8mg/kgであった. ターフェナジンも両部位で抑制作用を発現し, そのED40値は気管で66.4mg/kg, 主気管支で51.7mg/kgであった. 以上の成績から, KW-4679はIgE抗体が関与する気道における血管透過性冗進反応を抑制すること, その抑制作用はケトチフェンおよびターフェナジンに比べ低用量から発現することが明らかとなった.

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© 1996 日本アレルギー学会
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