1996 年 45 巻 7 号 p. 637-648
全国11施設の内科, 小児科, 皮膚科, 耳鼻咽喉科より得た各種アレルギー患者406例, 健常者81例の血清を対象とし, LUMIWARDイムノアッセイシステムにより特異IgE抗体及び総IgEの測定を行った. またCAP RAST, 皮膚テストとの比較及び臨床診断との比較検討を行った. CAP RASTとの同時測定例において, 一致率92.6%, 相関係数0.922と良好な相関性を得た. 健常者検査別における特異性はCAP RAST 96.4%に対し, LUMIWARD 96.2%であった. 問診, CAP RAST, 皮膚テストからの総合的診断により病因アレルゲンを臨床的に確認できた検査例における感度はCAP RAST 84.8%に対し, LUMIWARD 85.5%であった. また皮膚テストの感度は91.8%であった. さらに臨床診断との一致率はCAP RAST 90.1%に対し, LUMIWARD 90.4%であった. 総IgEを健常者成人について測定したところ, 累積95%値による正常上限170IU/mlを得た. 以上より, LUMIWARDイムノアッセイシステムはIgE関連検査において臨床的有用性が高い検査法であると考えられた.