アレルギー
Online ISSN : 1347-7935
Print ISSN : 0021-4884
ISSN-L : 0021-4884
小児アトピー性皮膚炎患者の食物アレルギー診断におけるLUMIWARDイムノアッセイシステムとCAP RASTシステムの臨床的有用性の検討
三好 麻里櫻井 隆児玉 荘一
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 46 巻 10 号 p. 1036-1043

詳細
抄録

乳幼児アトピー性皮膚炎患者の食物アレルギーの診断のため, 45名について可能な限り3カ月毎に複数回検討し計114回の除去負荷テストを施行して, その結果をLUMIWARDイムノアッセイシステムとCAP RASTシステムによって同時に測定した抗原特異IgE抗体値と比較検討した。LUMIWARDでは陰性一致率が高くCAP RASTでは陽性一致率が高く, 不必要な制限を避けるためにはLUMIWARDが, 食物抗原の早期発見のためにはCAP RASTが有用ではないかと考えられた。牛乳・小麦粉でのLUMIWARDの陽性一致率が低くアレルゲン見逃しの危険性があると思われた。経時的な検討ではCAP RASTで月齢が加わるほど陰性一致率が低下し不要な制限が長期に及ぶ危険性が考えられた。またLUMIWARDによる低濃度測定は今回の結果では臨床的に有用ではないと考えられた。

著者関連情報
© 1997 日本アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top