1998 年 47 巻 12 号 p. 1258-1263
当院に入院した気管支喘息患者168名を対象にmethylprednisolone点滴治療後の自己最良PEF値を評価し, 臨床背景との関係を検討した.自己最良PEF値(%of pred.)と年齢および罹患病期との間には, ともに有意な負の相関が認められた(r=-0.411, p<0.0001, r=-0.494, p<0.0001).60歳以上の高齢者または非喫煙者に限って検討すると, 自己最良PEF値(%of pred.)と罹病期間との間にはさらに強い相関が認められた(r=-0.517, p<0.0001, r=-0.568, p<0.0001).気管支喘息患者において罹病期間の長い症例では非可逆的気道閉塞が強い場合が多く, 入院適応の決定や長期管理における治療目標設定の際, 注意を要すると考えられた.