アレルギー
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ダニ抗原感受性気管支喘息におけるクラスター減感作療法の臨床的検討
永田 真
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1998 年 47 巻 4 号 p. 426-433

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抄録

気管支喘息における急速減感作療法の代替療法として, 週1回外来に患者を数時間待機させ, その間に抗原注射を反復するクラスター減感作療法を試みた.18歳か55歳までのダニ抗原感受性気管支喘息患者8名(重症・中等症各4名)を対象とした.各受診2時間前にメキタジン6mgを内服させ, 毎週1回急速法に準じ, 室内塵(house dust, HD)注射液を用いて1時間毎に1日4回まで投与量を増量させながら注射を反復し, 4〜5週で10倍液0.1mlに到着させることを目標として施行した.全例で5週以内にHD10倍液の維持量に到達し得, 全身的副作用は全くみられなかった.施行直後から起床時ピークフロー値の上昇がみられ, また5週後以降においては喘息点数の減少がみられた.施行16週後の時点においてはダニ特異的IgG4抗体の有意な増加と末梢血好酸球数の減少とがそれぞれ認められた.本療法は外来で安全に施行可能であり, 速やかに臨床効果と抗原特異的免疫応答をもたらす集中型減感作療法として臨床的に有用であるものと考えられる.

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© 1998 日本アレルギー学会
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