1998 年 47 巻 4 号 p. 457-461
8週間以上続く慢性持続性乾性咳嗽患者におけるcough variant asthma(CVA)の占める比率とその特性, 臨床経過を, アストグラフにより気道敏感症を測定できた39症例について検討した.メサコリンに対する気道過敏症の亢進が認められたものをCVAと診断したが, CVA群は23症例(59%)で, 非CVA群に比較し末梢血好酸球比率が有意に高かった.また, 肺機能検査において1秒率が有意に低かったが, 気道過敏症の程度は定型喘息と同程度であった.また, CVA群の臨床経過は4例(17%)が発症後平均30週で定型喘息(wheezing asthma)に移行, 7例(30%)が平均25週で軽快, 12例(52%)がCVAとして持続した.定型喘息へ移行した群では, 統計学的に有意ではないが, 肺機能上中枢気道から末梢気道にかけて閉塞性障害の程度が強い傾向がみられたが, 気道過敏性の程度に差は認められなかった.