アレルギー
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アトピー性皮膚炎患者におけるスギ花粉飛散時期の皮疹の悪化要因の検討 : 顔面皮疹の重症度およびCry j 1特異的IgE値との関係
相原 道子高橋 さなみ大砂 博之安枝 浩椿 和文池澤 善郎
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1999 年 48 巻 10 号 p. 1172-1179

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抄録

当院を受診したアトピー性皮膚炎(AD)患者97名において,スギ花粉飛散時期の皮疹の悪化とスギ花粉症の有無および顔面の皮疹の重症度を調査した.さらに,そのうちの54名でスギ花粉エキス(Jcp)およびCry j 1に特異的IgEの測定をELISA法にて行った.結果は,スギ花粉の飛散時期にADの悪化が認められたものは48.5%でそのうちの85%が花粉症を合併し,これは悪化がない群の花粉症合併率44%に比較して有意に高かった.花粉症のない群ではADの悪化がみられたものはわずかに20%であった.顔面の皮疹の重症度分布はADの悪化の有無にかかわらず等しかった.IgE値はJcpとCry j 1ともに花粉症のある群がない群より高い値を示したが,ADの悪化がある群とない群の比較では,若干前者で高い傾向があったものの有意差はなかった.これらの結果からスギ花粉がAD患者における春期の皮疹の悪化に関与している可能性が示唆されたが,Cry j 1特異的IgE値や顔面の皮疹の重症度とADの悪化との関係は明らかにはできなかった.

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© 1999 日本アレルギー学会
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