アレルギー
Online ISSN : 1347-7935
Print ISSN : 0021-4884
ISSN-L : 0021-4884
スギ花粉抗原による末梢血リンパ球の増殖反応と免疫グロブリン産生反応について
林 鷹治林 賢城 智彦重田 征子Seiko Shigeta小埜 和久山下 優毅
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 48 巻 4 号 p. 414-424

詳細
抄録

正常者とスギ花粉症患者の末梢血単核細胞を mitogen やスギ花粉抗原で刺激培養し, リンパ球の増殖反応と免疫グロブリン産生反応を検討した. Con A, anti-CD40mAb 刺激で, 患者群の増殖反応は正常者群に比し有意に高く, anti-CD40mAb 刺激で両群共に IgG 2 産生反応が顕著であった. スギ抗原刺激で, 患者群の増殖反応は正常者群に比し著しく高く, 患者血清抗スギ IgE 抗体価と相関した. スギ抗原刺激による IgE 産生反応では, 患者群の反応は正常者群に比し有意に高く, 患者血清抗スギ IgE 抗体価と相関を示した. スギ花粉抗原刺激による IgG 産生反応では正常者群, 患者群共にやや高い反応を示し, 両者の間に有意差は認められなかった. どの IgG サブクラスが IgG 産生反応の主因であるかは不明であったが, IgG 2 と IgG 4 産生反応は他のサブクラスに比べて比較的高値を示した. 患者群の IgG 4 産生反応は正常者群に比し有意に高かった. IgG 2 と IgG 4 産生反応の間, 並びに, IgG 4 と IgE 産生反応の間に負の相関傾向がみられ注目された. 免疫冶療における IgG 4 high responder を今回の in vitro 反応で判定する事は困難と思われた.

著者関連情報
© 1999 日本アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top