アレルギー
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モルモット喘息モデルの抗原誘発気道過敏性亢進と気道炎症における脂質メディエーターの役割
橘 秀樹
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2000 年 49 巻 8 号 p. 634-645

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抄録

能動感作モルモットに抗原を吸入負荷し, 24時間後のメサコリン気道過敏性亢進と気道炎症細胞浸潤に対するトロンボキサン(TX)A_2受容体拮抗薬(S-1452), システニィル・ロイコトリルエン(cLT)受容体拮抗薬(ICI-198, 615), 血小板活性化因子(PAF)受容体拮抗薬(E-6123)の影響を検討した.S-1452(1, 10mg/kg), ICI-198, 615(0.5, 5mg/kg)E-6123(1, 10μg/kg)または各々のvehicleを抗原吸入の1時間前と11時間後に腹腔内投与した.3薬剤とも気道過敏性亢進を用量依存的に抑制した.気管支肺胞洗浄細胞成分の検討では, S-1452は総細胞数の増加を非特異的に抑制し, ICI-198, 615は総細胞数の増加と好酸球比率の増加を抑制したが, E-6123は影響しなかった.TXA_2は気道の血管透過性亢進に, cLTは血管透過性亢進と好酸球の遊走に関与しているが, PAFは炎症細胞浸潤に明らかな役割を果たしていないことが示唆された.

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© 2000 日本アレルギー学会
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