アレルギー
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高用量ベクロメタゾン吸入中の喘息症例における1/2用量フルチカゾン1日2回, および1日1回投与の有用性
長谷川 幹富井 啓介菊本 直樹坂本 廣子前川 豊行片山 覚亀井 雅坂本 幸裕藤井 宏石原 享介
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2001 年 50 巻 4 号 p. 379-384

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抄録

beclomethasone dipropionate (BDP) 800μg/day以上を使用中の喘息症例47例を対象に,BDPで4週間治療 (BDP期) した後にこれを1/2用量のfluticasone propionate (FP) 1日2回投与に変更して4週間治療し (FP2期),さらに同用量のFPの1日1回投与に変更して4週間観察して(FP1期),各治療期間の有用性を比較検討した.FP2期におけるピークフロー値(PEF,329vs. 306L/min), FEV_1(1.87vs. 1.76L),症状スコア(3.6vs. 6.0/週),β_2刺激薬使用回数(2.7vs. 4.5回/日)は,すべてBDP期に比べて有意に良好であった.FP1期とFP2期とでは,これらの評価項目に有意差は認められなかった.FPは,1日2回投与では倍量のBDPよりも高い臨床効果を有しており,1日2回投与を1回投与に変更しても,少なくとも短期的には同等の有用性が得られるものと考えられた.

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© 2001 日本アレルギー学会
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