アトピー性皮膚炎患者における食物アレルギー関与の頻度を明らかにするため,覆面型食物アレルギーの概念に基づいた経口誘発試験を行って,受診したすべてのアトピー性皮膚炎患者226例について検討した.環境整備と推定食物アレルゲンの完全除去により症状が軽快した後に経口誘発試験を行い,脱落26例を除く200例のうち181例で1種以上の食物誘発が陽性であった.その結果より,アトピー性皮膚炎における食物アレルギーの頻度は181例/200例=90.5%と算出された.200例中の食物アレルゲンの種類別の頻度は,鶏卵83.5%,牛乳51.5%,大豆83.6%;小麦20.0%,米2.6%であった.