2001 年 50 巻 8 号 p. 679-688
千葉県下17施設にて, 外来通院中の成人気管支喘息患者を対象に, ピークフローメーターを用いて1日4回, 2週間ピークフロー値(PEF)の測定を行い, PEF日内変動のタイプ分類を試みた.さらにタイプ分類された患者を対象に1日1回投与の徐法性テオフィリン製剤を投与し, PEFの日内変動に対する効果を検討した.対象は245例で測定不十分な30例を除いた215例について解析を行った.その結果, PEFに一定のリズムを示した症例は187例(87.0%), 一定のリズムを示さない症例は28例(13.0%)であった.PEFに一定のリズムを示した187例のタイプ分類では, モーニングディップ型63例(29.3%), ピーク型83例(38.6%), イブニングディップ型7例(3.3%), フラット型34例(15.8%)であった.また, トラフ型の症例はなかった.次にPEFの日内変動がタイプ分類された124例を対象にユニフィル^R錠1日1回400mgを夕食後に投与したところ, モーニングディップ型とピーク型に優れた有用性を示した.気管支喘息患者の薬物療法では, PEFの変動パターンを考慮に入れた治療の必要性が示唆された.