2003 年 52 巻 12 号 p. 1122-1131
インターネットを利用する喘息患者への情報支援を目的に,無償配布されている検索エンジンのソフトウエアーなどを用いて,喘息用語に特化した検索エンジンを構築し運用を行った.検索結果が表示されたWebページ末尾に利用者へのアンケートを付設し回答を求めた.2000年6月1日より運用を開始し,3年間で利用目数は66689回,アンケートは786件の回答が寄せられた.利用者の立場は,医療関係者19.3%,患者やその家族63.7%,その他の立場11.3%となった(無目答者5.3%).目的の情報への経路はどの立場でも半数程度しか示すことができなかった.これは日本語の喘息に関する情報の未整備が疑われた.しかし同検索エンジンサイトの運用は,どの立場でも一般検索エンジンよりも役立つと7割以上が答えた.また検索ログの解析では,どの期間においても吸入ステロイド剤「フルタイド」が多<,本検索エンジン利用者において気道炎症に基づいた治療に関心が高いことが示された.