アレルギー
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KL-6が経過を反映し,サイクロンスポリンAが著効したステロイド抵抗性間質性肺炎を合併した皮膚筋炎の1例
新中 学松井 望会澤 信弘冨永 幸治飯田 慎一郎中野 孝司波田 壽一
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2003 年 52 巻 7 号 p. 586-590

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抄録

症例は49歳,女性,平成12年初旬頃より,皮疹が出現し,近医受信するも診断がつかず,当院皮膚科に紹介受診,ヘリオトロープ皮疹,筋電図における筋原性変化,CKの上昇から皮膚筋炎と診断し,プレドニゾロン10mg/日で経過観察中,胸部X線写真上両下肺野に浸潤影を認めたため入院し当科と共観となる.胸部CTの所見とKL-6の上昇から皮膚筋炎に伴う間質性肺炎と診断した.呼吸機能が悪化したため,ステロイドパルス療法に続いてプレドニゾロン60mg/日で1ヵ月加療するもKL-6は低下せず,PaO_2も改善しなかったため,サイクロスポリンA200mg/日を追加した.その結果,PaO_2も暫時改善し,ステロイドの減量も可能となり退院,外来観察中にKL-6値は正常化し,酸素投与なしで生活可能となった.皮膚筋炎に伴う間質性肺炎は難治性であり,サイクロスポリンAが著効した症例は興味深いと考え報告する.

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© 2003 日本アレルギー学会
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