アレルギー
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気管支喘息患者における血清リウマチ因子と末梢血好酸球数についての検討
小林 良樹安場 広高北 英夫濱田 和幸茆原 順一
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2004 年 53 巻 12 号 p. 1210-1215

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抄録

気管支喘息, とくに重症喘息は全身性の炎症であり, その重症度と好酸球数が相関するといわれている. さらに関節リウマチなどの全身性免疫反応が亢進する疾患で検出されるリウマチ因子(RF)が, 喘息患者においてもみられることがある. そこで, これらの因子が喘息の臨床病態と関係があるのかについて検討した. 対象として, 当科外来を定期受診している気管支喘息患者100例をランダムに選択した. RF陽性群(21 IU/ml以上)では, 陰性群に比し, 有意に好酸球数が多く, 好酸球数対数値とRF値には弱い正の相関を認めた. さらに, 重症群では, 軽症, 中等症に比べて, 好酸球数とRF値が有意に高値を示した. 以上より, RF値は, 好酸球数増加や喘息重症度を反映する可能性が示唆された. リウマチ因子(RF)は, 関節リウマチ(RA)の他, 膠原病などの全身性免疫反応が亢進している疾患でも上昇することがある. 難治性喘息を伴うことが多いChurg-Strauss症候群(CSS)でも, 好酸球増加に加え, 血管炎を合併し, RFが上昇することが多い.

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© 2004 日本アレルギー学会
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