アレルギー
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健常者における気道抵抗からみた固有活性の異なる吸入β_2刺激薬の併用効果
岸本 伸人大西 久子藤田 次郎亀井 雅多田 慎也上田 暢男
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2004 年 53 巻 4 号 p. 417-422

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抄録

近年,気管支喘息管理に際して,長時間作動型β_2刺激薬および短時間作動型β_2刺激薬吸入を行うことが一般的になりつつある.しかし長時間作動型β_2刺激薬吸入後に,短時間作動型β_2刺激薬を吸入した際の急性効果についての詳細は不明である.そこで長時間作動型β_2刺激薬(salmeterol ; S)吸入後に,短時間作動型β_2刺激薬(procaterol ; P)を吸入した際の効果を,気道抵抗などを指標に検討した(P+S群).さらに比較目的で,Pを繰り返し吸入した際の効果も検討した(P+P群).対象者は,非喫煙者の健常成人男性7例であった.S(50μg)およびP(20μg)吸入前後で,気道抵抗などを測定し,S吸入60分後,またはP吸入15分後にPを追加吸入し,経時的に気道抵抗などを測定した.S,P吸入前後では,気道抵抗などはいずれも有意に改善した.S+P群は,P+P群に比較してP追加吸入による気道抵抗の改善率の低い傾向が示唆された.固有活性の異なる組み合わせによりそのβ_2刺激薬の上乗せ効果の程度は異なる可能性が示唆された.

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© 2004 日本アレルギー学会
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