2004 年 53 巻 4 号 p. 423-429
(研究目的)喘息治療の中心的役割を果たす吸入ステロイドの作用を比較検討するため,気道上皮細胞におけるeotaxinの産生に対する効果を検討した.(方法)気道上皮細胞株BEAS-2Bをin vitroにて培養し,各種glucocorticoids(beclomethasone dipropionate ; BDP, budesonide ; BUD, fluticasone Dropionate ; FP)を添加し,TNF_αおよびIL-4にて刺激,培養上清中のeotaxinタンパク濃度をELISAにて測定した.(結果・考察)TNF_αおよびIL-4は,それぞれ濃度・時間依存性にBEAS-2B細胞におけるeotaxin産生を増強し,また両者には相乗効果が認められた.Glucocorticoidsは,これらの刺激によるeotaxin産生を有意に抑制し,その力価は,FP>BUD>BDPの順で,FPには10^<-10>Mという低濃度でも有意な抑制効果が認められた.これらの結果は,臨床比較試験の結果と相関することが示唆された.