2004 年 53 巻 6 号 p. 565-574
喘息患者105人と若年成人無症候者141人の気道過敏性をアストグラフ^[○!R]法で検討した.喘息群のDminの範囲は0.001〜28.70単位,無症候群の補正Dminの範囲は0.28〜190単位であり,分布には明らかな重なりが認められた.分布より,喘息患者の95%はDminが7単位未満に入り,無症候者の95%はDminが0.9単位以上に入った.喘息患者のほとんどは気道過敏性が亢進していると仮定すると,無症候者の半数近くは気道過敏性が亢進していると考えられた.元々健常者の気道過敏性はこのような分布を示すものであった可能性と,健常者の気道過敏性が全体的に亢進してきた可能性の2つが考えられた.アストグラフ^[○!R]検査でDminが7単位以上であれば喘息の可能性は低く,0.9単位未満であれば喘息の可能性が高い.