アレルギー
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アスピリン内服や運動負荷が増悪因子となった小麦アナフィラキシーの1例
藤田 浩之大砂 博之蒲原 毅猪又 直子池澤 善郎
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2005 年 54 巻 10 号 p. 1203-1207

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抄録

23歳女性.小麦食品摂取後の歩行中に蕁麻疹, 呼吸困難や意識消失が出現するようになった.小麦による食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis : FDEIA)を疑い精査を施行した.グルテンCAP-RASTクラス2, プリックテスト陽性.小麦少量負荷では症状は誘発されなかったが, 小麦100g負荷では蕁麻疹が誘発された.また, 小麦少量負荷に, アスピリン内服または運動負荷を加えた場合にも蕁麻疹が出現し意識が朦朧となった.以上よりアスピリン内服や運動負荷が増悪因子となった小麦アナフィラキシーと診断した.エトドラク内服後, 小麦少量負荷では症状は誘発されなかった.加えて, 小麦100g摂取による症状はクロモグリク酸ナトリウム前投与では予防不可能であったが, フェキソフェナジン前投与により完全に予防された.

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© 2005 日本アレルギー学会
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