2001年に旭川医科大学耳鼻咽喉科, 頭頸部外科およびその関連12施設を受診し, アレルギー性鼻炎(花粉症)と診断された548名(男性223名, 女性325名)を対象として, CAP-RASTの結果を検討した. 通年性抗原であるハウスダストおよびダニ抗原は, 548名中約半数が陽性で, 最も陽性率が高く, 花粉抗原は, シラカンバ, イネ科のチモシー(オオアワガエリ), カモガヤ, キク科のヨモギの順で陽性率が低くなった. 北海道を代表する花粉抗原のシラカンバは, 旭川およびその周辺地域, 札幌において陽性率が高く, 過去の報告との比較においては, シラカンバ花粉抗原陽性率の増加と, イネ科花粉抗原陽性率の減少が認められた. 一方, 沿岸に位置する, 釧路, 苫小牧, 稚内, 根室においてはシラカンバ花粉抗原の陽性率が低く, 北海道内における陽性率の地域差を示し, シラカンバ花粉の飛散に, 気象条件が大きく影響していることが示唆された.