アレルギー
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小麦I型アレルギーに及ぼすNonsteroidal Anti-Inflammatory Drugsや抗アレルギー薬の効果
猪又 直子中村 和子山根 裕美子藤田 浩之高倉 桃子菅原 万理子大砂 博之池澤 善郎
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2006 年 55 巻 10 号 p. 1304-1311

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抄録

【背景・目的】アスピリンは小麦I型アレルギーへの増強効果を示す薬剤として知られているが,今回その他のNSAIDsや抗アレルギー薬が及ぼす効果について検討した.【方法】経口負荷試験によりアスピリンの小麦アレルギーへの増強効果を認めた成人7例を対象としCAP-RAST,プリックテスト(SPT), NSAIDsや抗アレルギー薬を組み合わせた負荷試験を施行した.【結果】対象患者は小麦単独摂取によるアレルギー4例,小麦依存性サリチル酸誘発アナフィラキシー3例.CAP-RASTは4/7例,SPTは5/7例が小麦とグルテン共に陽性.負荷試験でジクロフェナクは1/2例で増強効果を示すもエトドラクは5/5例で増強効果を認めなかった.DSCGは4/4例で完全な抑制効果を認めず,うち1例は増強効果を示した.フェキソフェナジン,オロパタジン,クロルフェニラミン施行例全例で抑制効果を認めた.【結語】小麦アレルギーに対しエトドラクは増強効果を認めにくい.また抗アレルギー薬の方がDSCGより予防効果が高い傾向があった.

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© 2006 日本アレルギー学会
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