アレルギー
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アトピー性皮膚炎における真菌アレルギーと抗真菌療法の効果についての検討 : 即時型反応,遅延型反応を含めて
小林 照子山田 正子相原 道子池澤 善郎
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2006 年 55 巻 2 号 p. 126-133

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抄録

【目的】AD患者のカンジダ,マラセチアに対する即時型,遅延型反応の結果と抗真菌療法の効果について検討した.【方法】AD患者にカンジダ,マラセチアのプリックテスト(SPT)を施行し即時型および遅延型反応陽性者にアンフォテリシンB (AMPH),イトラコナゾール(ITCZ)による抗真菌療法を行い,前後の重症度スコアを検討した.【結果】40例中カンジダで28例,マラセチアで30例が即時型陽性,遅延型は測定し得た27例中それぞれ10例と4例が陽性であった.カンジダでは遅延型陽性例でRAST値が低く陰性例で高い傾向がみられた.SPT即時型陽性例に対するAMPH,ITCZの投与群全体では両剤ともにADの重症度スコアは有意差をもって改善された.ITCZ有効群は無効群に比べマラセチアに対するSPTの反応が強く認められ,マラセチアのみ陽性の群ではITCZは1例を除き全例で有効であった.【考察】真菌アレルギーはADの悪化因子の一つと考えられ,SPTは真菌アレルギーの評価と薬剤選択に際し有用な手段と考えられた.

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© 2006 日本アレルギー学会
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