抄録
自然免疫はToll-like receptor (TLR)を始めとした受容体を用いて病原体を認識する.これまでTLRリガンドの多くが同定されており,リポ蛋白(TLR1, 2, 6),リポポリサッカライド(LPS)(TLR4),細菌鞭毛蛋白(TLR5)のような細菌由来の構成物や,二本鎖RNA(TLR3),一本鎖RNA(TLR7, 8), DNA(TLR9)といった細菌,ウイルス由来の核酸がTLRにより認識される事が明らかとなっている. TLR刺激はアダプター分子であるMyD88やTRIFを介して細胞内にシグナルを伝達し,炎症性サイトカインやインターフェロン(IFN)誘導遺伝子の発現を誘導する.更に細胞質内においてはRIG-I, MDA5というヘリカーゼ蛋白がウイルス二本鎖RNAの認識に必須であり,アダプター分子IPS-1を介してIFNを産生させる.このように自然免疫系は様々な受容体システム,シグナル伝達経路を用いて病原体の認識,生体防御反応の惹起を行っている.