アレルギー
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細胞内抑制シグナルとアレルギー疾患
吉村 昭彦田中 謙太郎岡元 冬樹小林 隆志
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2007 年 56 巻 6 号 p. 563-569

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抄録

アレルギーや自己免疫疾患の多くはヘルパーT細胞の免疫ホメオスタシス維持の破綻によって引き起こされる.この数年免疫応答を促進するエフェクターT細胞とこれを抑制する抑制性T細胞の関係が明らかにされてきた.特にサイトカインとそのシグナル制御が免疫応答の進行と寛解に重要である.例えばIL-6とTGFβは協調してTh17を誘導し,またIL-6はTGFβによる抑制性T細胞(Th3もしくはTreg)の誘導を阻害する. Th17の誘導にはSTAT3が重要であり,これはIFN_γやIL-4によって抑制される. IL-6シグナル制御遺伝子SOCS3はTh17とTh3の誘導を制御することでIL-6の関与する免疫応答を正と負に制御する実態が明らかになりつつある.特にTGFβと炎症性サイトカインの関係が理解されつつある現在,新たな免疫制御の理論が構築されつつある.

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© 2007 日本アレルギー学会
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