アレルギー
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プライマリケア医による喘息コントロールの現状
大田 健美濃口 健治水野 仁美大山 尚貢
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2010 年 59 巻 12 号 p. 1642-1647

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抄録

【背景・目的】本邦において治療ステップからみた喘息コントロールの実態を検討した報告はない.本研究では喘息患者を最も多く診療するプライマリケア医の喘息治療の実態について調査・解析した.【方法】プライマリケア医を受診している11490名の喘息患者を対象に,JGL2009に規定されている治療ステップと喘息コントロール状態を判定した.さらに,喘息治療に対する満足度を0点(非常に不満足)から10点(非常に満足)までスコア化して検討した.【結果】11490名のうち,ICSおよび配合剤による治療を受けている患者は90.9%であった.また,喘息コントロールが良好と判定された患者は,現在の治療ステップ1,2,3,4において,それぞれ41.8%,31.7%,28.4%,22.1%であった.さらに,患者満足度の平均点は治療ステップ1,2,3,4でそれぞれ7.83,7.68,7.62,7.46であった.【結語】プライマリケア医を受診している喘息患者におけるICSの普及率は高く,治療の満足度も高いが,喘息コントロール良好である割合は少なかった.この解離は患者自身の喘息治療目標が低いためと考えられた.

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© 2010 日本アレルギー学会
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