アレルギー
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Omalizumabの投与間隔短縮が有効であった重症持続型気管支喘息の1例
安藤 克利大国 義弘小松 あきな松沼 亮中島 啓浅井 信博牧野 英記金子 教宏
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2011 年 60 巻 5 号 p. 604-609

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抄録

症例は61歳男性.重症持続型気管支喘息にてPSL 5mg/日内服加療中であった.平成21年12月よりOmalizumabの投与を開始したところ,投与1〜2週目の臨床所見は著明に改善するも,投与後4週目より自覚症状が再燃した.さらに週単位での平均SABA使用回数も投与1-2週目の平均0.61回/日から4週目には平均0.95回/日へと増悪した.このため,平成22年4月よりOmaluzumabを3週間毎投与へと投与間隔を短縮したところ,投与間での症状再燃が消失し,ACTの平均も21.33(投与開始前9.45,4週間毎投与中15.67)まで上昇した.現在,PSL定期内服を減量,中止し,経過良好である.Omalizumabは臨床症状を改善させ,経口ステロイド使用を減少させるが,実地臨床では推奨通りの投与継続にあたって問題点も複数存在する.今回我々は推奨量の4週間毎投与で効果が不十分であったため,3週間毎投与へと投与間隔を短縮したところ,奏効し,PSLの減量,中止が可能になった症例を経験したため若干の文献的考察を踏まえて報告する.

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© 2011 日本アレルギー学会
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