アレルギー
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小児アトピー性皮膚炎患者養育者のQuality of Life調査票短縮版(QP9)の開発と臨床的評価
勝沼 俊雄丹 愛子大矢 幸弘
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2013 年 62 巻 1 号 p. 33-46

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抄録

【背景・目的】QPCAD (Quality of life in Primary Caregivers of children with Atopic Dermatitis)はアトピー性皮膚炎(AD)児養育者のQOL評価を目的に開発された19項目からなる質問票である.私たちは回答者の負担軽減とQOL評価の普及を目的にQPCAD短縮版(QP9)を開発し臨床的有用性を評価した.【方法】0〜6歳のAD児養育者のデータに因子分析を用い項目の選択を試みた.信頼性評価のためQP9を診察数時間後に再度回答して頂いた.妥当性評価のため背景因子・AD重症度との関連を検討した.反応性評価のため2回目受診時にAD重症度を評価し同時にQP9に回答して頂いた.【結果】529データに因子分析を適用し9項目を選択した.次にQP9の信頼性を評価し,十分な信頼性を持つことを確認した.スコアと背景因子およびAD重症度の関連性を認め,QP9の妥当性を確認した.さらにスコア変化量とAD重症度変化量との間に治療前後の有意な関連を認め,QP9の反応性を確認した.【結語】QP9はAD患児養育者のQOL評価尺度として十分な信頼性,妥当性,反応性を有する有用な質問票である.

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© 2013 日本アレルギー学会
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