アレルギー
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当院に入院した成人喘息患者の背景の推移 : 特に吸入ステロイド薬と喫煙状況について
石原 明典若山 尚士小笠原 智彦清水 美帆高橋 一臣竹内 知子山羽 悠介岩木 舞沓名 健雄鈴木 雅之
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2013 年 62 巻 12 号 p. 1611-1622

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抄録

【目的】当院に入院した瑞息患者の背景の推移を治療内容と喫煙歴を中心に調査し,今後に残された端息診療の課題を考察する.【方法】当院にA : 2004年1月〜2005年12月,B : 2009年1月〜2010年12月に喘息発作で入院した成人患者について,年齢,吸入ステロイド薬を含む治療内容,入院前の喫煙歴をレトロスペクティブに検討した.【結果】延べ患者数はA : 161人,B : 88人で,ほぼ半減.65歳以上の比率は両群に有意差はなかった.65歳未満では, ICS(配合剤を含む)の使用率はA : 22.9%, B : 35.8%,現喫煙率はA : 42.7%, B : 49.1%. 65歳以上では,ICSの使用率はA : 46.2%, B : 48.6%,現喫煙率はA : 19.7%, B : 22.9%であった.【結論】65歳未満ではICSの使用率は増加しているものの喫煙率も上がっていた.喫煙によりICSの効果が減弱していることが推測され,禁煙の徹底が必要と考えられた.65歳以上ではICSの使用率は比較的高くかつ喫煙率も高くなかった.難治例が多いと推測され,高齢者瑞息に対してさらなる対策が必要と考えられた.

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© 2013 日本アレルギー学会
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