アレルギー
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小児病院におけるアナフィラキシーと二相性反応
長野 智那石黒 精余谷 暢之阪井 裕一藤原 武男大矢 幸弘
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2013 年 62 巻 2 号 p. 163-170

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抄録

【背景・目的】アナフィラキシーは,抗原の暴露後に急速に進行する全身性の致死的反応である.小児におけるアナフィラキシーの詳細な報告は少ないため,二相性反応を含めたアナフィラキシーの実態把握を目的とした.【方法】2002年から2010年の8年間にアナフィラキシー症状を呈して当センターを受診した345例を対象とした.原因,年齢・性別,症状,治療について診療録により後方視的に検討した.【結果】年齢の中央値は36カ月,男児が63%を占めていた.アナフィラキシーショックは7例(2%)で,死亡例は認めなかった.アナフィラキシーの主要原因は食物293例(85%),薬物10例(3%)であった.食物では卵,乳製品,ナッツ類が多く認められた.多い初期症状は,皮膚粘膜症状(90%),呼吸器症状(71%)であった.初期治療としてのアドレナリン使用は75例(22%)であった.初発時から当センターで観察した340例中,二相性反応は3例に認め発症頻度は0.9%であった.年齢,性別,Grade,症状については二相性反応と単相性の間に有意差は認めなかった.【結語】わが国で初めて,小児のアナフィラキシーにおいて二相性反応は0.9%に起こったという頻度を明らかにした.

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© 2013 日本アレルギー学会
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