【背景・目的】成人喘息患者では喘息症状コントロールの季節性変化(季候性変化)に関する詳細な報告は少ない.【方法】200名の喘息患者を対象に,喘息コントロールの季候性変化に関するアンケート調査を実施した.【結果】成人喘息患者において何らかの季候によってコントロールが悪化すると回答した患者(季候性変化あり群)は141名(70.5%)であった.季候性変化あり群ではなし群と比較し中等症以上の重症度の割合が高く,平均年齢が低い傾向があった.喘息が悪化する季候として最も多く選択されたのは秋の冷え込みであり,少なかったのは夏の暑い時期であった.また,軽症患者は秋の冷え込み,中等症以上においては冬の寒い時期に症状が悪化する傾向があった.閉塞性換気障害を有する患者群においては冬の寒い時期,閉塞性換気障害のない患者は秋の冷え込みによって悪化すると答えた患者が最も多かった.【結語】秋の冷え込みによって喘息症状が悪化すると回答した成人喘息患者が最も多く,重症の患者は冬の寒さによって悪化しやすい可能性が示唆された.