アレルギー
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宮崎県下の成人喘息患者に対して10年間連続して行った実態調査 : 宮崎県気管支喘息フォーラムでの検討
関 良二長友 安弘山口 哲朗松本 紫朗
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2014 年 63 巻 6 号 p. 794-804

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抄録

【目的】宮崎県気管支喘息フォーラムを通して,喘息ガイドラインに沿った治療の普及を行い,宮崎県の喘息死を減らすことを目的とした.【方法】県内の成人喘息患者を対象に, 1999年から10年間のほぼ同時期に,患者自己記入式アンケート調査を行った.【結果】県内の医療機関から, 10年間で延べ7899人分のアンケートを回収した,治療内容では10年間の経過で長期管理薬である吸入ステロイド薬,長時間作用性吸入β_2刺激薬,ロイコトリエン受容体拮抗薬の使用割合が年々増加し,それに伴って喘息症状は減少し,呼応するように短時間作用性吸入β_2刺激薬,アミノフィリン注射,テオフィリン徐放製剤の使用割合が減少した.吸入ステロイドの処方割合は専門医の施設で高く,患者満足度も高かった. 2008年の調査では鼻炎症状をもつ患者では,鼻炎治療を併用することで,喘息の調子が良くなった.【結語】宮崎県下で喘息ガイドラインに沿った治療の普及が進み,それが喘息症状の緩和と患者満足度を高め,ひいては喘息死の減少に寄与した可能性が示唆された.

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© 2014 日本アレルギー学会
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