アレルギー
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器質化肺炎の所見を呈したSweet病に伴う肺病変の1例
西本 幸司鈴木 清一郎右藤 智啓匂坂 伸也佐藤 潤妹川 史朗安田 和雅影山 葉月須田 隆文
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2014 年 63 巻 7 号 p. 938-944

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抄録

症例は76歳,男性.発熱とともに顔面,四肢の紅斑が出現し,皮膚生検で真皮に好中球の浸潤を認め,Sweet病と診断した.胸部画像上右肺に多発性のすりガラス状陰影を認め, CRP24.2mg/dl, WBC8200/μlと炎症所見は亢進していた. BALでリンパ球32.0%,好中球19.7%と上昇していたが,気管支鏡検体の各種培養は陰性であった. TBLBで気腔内の器質化滲出物とともに軽度の好中球浸潤がみられたことから, Sweet病に伴う器質化肺炎と診断した.また,軽度の貧血と血小板減少を認め,骨髄穿刺で数%の過形成骨髄芽球と微小巨核球が出現し,骨髄異型成症候群(MDS)が基礎疾患に存在すると考えられた.プレドニゾロン30mg/日で治療を行ったところ,速やかに皮疹,炎症所見,胸部画像所見は改善した.しかしプレドニゾロンを10mg/日まで漸減したところで肺病変の再燃をきたした.ステロイドパルス療法の後,プレドニゾロン45mg/日の後療法と免疫抑制剤の併用で病状は改善傾向を示した. Sweet病に伴う器質化肺炎はまれと考え報告した.

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© 2014 日本アレルギー学会
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