2016 年 65 巻 7 号 p. 937-941
65歳男性.気管支喘息およびCOPDの診断で,近医より吸入ステロイド,長時間作用性抗コリン薬,β2刺激薬貼付剤,抗ロイコトリエン薬,抗ヒスタミン薬,テオフィリン徐放薬,短時間作用性β2刺激薬の処方を受けていた.重篤な喘息発作を生じ,当院へ救急搬送された.気管内挿管のうえICU管理とし,高用量ステロイドの連日投与で徐々に軽快し,24病日で抜管出来たが,PaCO2高値が持続するため,非侵襲的陽圧換気に移行した.その後もステロイド点滴を要する増悪を反復し,ICU管理を継続した.来院時の非特異的IgEが651IU/mlと高値であったことから,35病日にオマリズマブを投与したところ,急速に病状が軽快した.以後再増悪なく48病日に一般病棟に転出でき,71病日に夜間だけのNPPVにて退院した.難治性喘息発作にオマリズマブの追加投与が奏効した症例と考えられた.