アレルギー
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症例報告
負荷試験後に無呼吸発作を起こしたIgE 依存型小麦アレルギー患者の1 例
明石 真幸
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2016 年 65 巻 8 号 p. 1018-1021

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抄録

アナフィラキシーは急速に出現し,死の危険性もある重篤な全身アレルギー反応である.喘鳴や呼吸困難,意識消失はIgE依存性食物アレルギーの重篤なアレルギー症状として知られているが,無呼吸発作の報告は殆どない.今回,IgE依存性小麦アレルギーをもつ9歳男児に小麦負荷試験を行ったところ,全身紅斑,腹痛,嘔吐,アナフィラキシーショックなどの即時型反応の後,強い酸素飽和度低下を伴う無呼吸発作を起こした.患者の酸素飽和度は60%台まで低下し,その際,患者は呼吸を止めチアノーゼが出現しているのを医療スタッフが確認した.その後も時折,酸素飽和度の低下を伴わない10秒程度の無呼吸を認めた.経過から中枢性無呼吸発作が起こった可能性が疑われるが,その機序は不明であり今後病態を解明していく必要があると考えられた.

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© 2016 日本アレルギー学会
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